フリッツ、トリノの決勝でシナーに敗れる

2024年、テーラー・フリッツは大きな飛躍を遂げました。全米オープンで自身初のグランドスラム大会決勝に進出し、今週の Nitto ATPファイナルズでは決勝に進出、自己最高の PIF ATPランキング4位でシーズンを終えました。

日曜夜にトリノで行われた決勝ではヤニク・シナーにストレート負けを喫したものの、フリッツは今シーズンの結果に満足しています。

「本当に良い1週間でした。シーズンの終わり方としては最高です。シーズンをこのように終えることができたことは、大きな自信につながります。2023年にインディアンウェルズで前年の優勝ポイントを失う直前、1週間、世界ランキングが5位になりました。そのときチームのメンバーに『おかしいよ、自分が世界5位なんて。僕よりランキングが下の選手たちのほうが、おそらく僕より上手いと思う』と言ったことがあります」とフリッツ。

「あのときは、自分が5位にふさわしいと感じていませんでした。でも、今は自分がこのランキングにふさわしいと感じています。まったく違う感覚です。今年は素晴らしい1年でした。その自信を持てたことが本当に大きいです。これが大きな結果を出すための重要な部分です。シーズンの初めに立てた目標はトップ5で終わることでした」

フリッツは、アレクサンダー・ズベレフ、ダニル・メドベージェフ、アレクス・デミノーに勝利し、2006年のジェームズ・ブレーク以来となるアメリカ勢の Nitto ATPファイナルズの決勝進出を果たしました。しかし、フリッツは、世界ランキング1位のシナーに対して、打開策を見つけることができず、決勝戦もラウンドロビンと同じスコアで敗れました。

フリッツは世界ランキング1位のシナーを大いに称賛しています。

「彼は素晴らしいプレーをしています。ベースラインからのプレーは前回対戦したときとほとんど同じに感じましたが、今日特に印象的だったのは彼のサーブです。彼のサーブは本当に見事でした。ラインを捉えていましたし、コースも素晴らしかったです。セカンドサーブでもかなりリスクを取ってきました。それが彼の主なゲームプランのひとつで、私にセカンドサーブを攻撃させないことだったと思います」とフリッツは話しました。Infosys ATP Stats のスタッツのデータによると、シナーのファーストサーブの成功率は71%でした。

「彼はセカンドサーブを単に変化させるだけでなく、とても攻撃的に打ってきました。ややスピードを上げて打ち、多少リスクを取ってもダブルフォルトをほとんどしないのは見事でした。彼のサーブには本当に感心しました」

フリッツは来週のデビスカップ・ファイナルでシーズンを締めくくりますが、トリノを去る時点で52勝23敗という好成績を残しています。2025年に向けて、どこを改善すべきかも明確に感じているようです。

「もっと爆発力と最初のステップの素早さを身につける必要があります。スプリットステップから少しでも素早く動けるようになれば、サーブのリターンがかなり改善されるでしょう。サービスゲームを破るチャンスをほんの少しでも増やすことができれば、大きな改善につながると思います。すでにやっていることですが、まだ改善の余地がたくさんあると思います」とフリッツは話しています。

「今日明らかになったのは、ボールがかなり摩耗したとき、バックハンドでパワーを生み出すのに苦労したことです。その結果、彼に多くのポイントを支配されることになりました。ボールが新しいときには、それは特に問題ではなかったので、ポイントをキープすることができました」

2024年にデルレイビーチとイーストボーンでツアータイトルを獲得したフリッツは、2025年にはトップ選手に対する戦績を改善することを目指しています。現在、フリッツは世界ランキング1位のシナーに対して0勝11敗という成績です。27歳のフリッツは、世界25位以内にいる5名のアメリカ勢(フリッツ、トミー・ポール、フランシス・ティアフォー、ベン・シェルトン、セバスチャン・コルダ)を率いる存在として2025年を迎えます。